「実家を片づけたい」と考える人が増えています。
ご相談の多くは、子供が40~50代で、親は60~80代になります。
このような年齢層からご依頼される理由は、親も子供も体力的に限界で、家族だけでは片づけられないからです。
また、親と片づけの話になるとケンカになってしまう人も多いです。
原因の一つが、親と子供の価値観の違いです。
60代以上の人は、貧しい時代を経験してきた人が多く、モノのありがたみが若い人に比べて高いです。
そのため、親と片づけを進めるときには、親の気持ちに合わせて作業を進めていきましょう。
まずは、親に片づける目的を持ってもらいましょう。
例えば、「部屋にモノが多くなってきたから捨てよう」
このような言葉をかけても、「うん、わかった」と素直に聞いてくれる親は少ないです。
はじめにもお伝えしましたが、高齢の人ほど、幼少期の頃にはモノがない時代だったことを頭に入れておきましょう。
そこで、親と同じ目線でモノの価値について考えるようにします。
親に対して厳しい伝え方になる人もいますが、冷静になって進めていきましょう。
仕事なら怒られても「生活のため」と我慢できますが、片づけは怒られてまで誰もやりたくないからです。
以前、
母親が亡くなってしまい、息子さんから遺品整理のご依頼があった時のお話です。
母親は生前モノを捨てることをしなかったので、実家には多くのモノが残ってしまいました。
子供からしたら、「すべて母親の思い出のモノ」になります。
遺品整理をするときに息子さんは、モノを捨てる度に、
「母さん、ごめんな。捨てさせてもらうけど恨まないでくれよ」
と、申し訳なさそうにモノへ語りかけていました。
そのような経験から、「モノは本人が責任を持って片づけることが大切」だと思っています。
親の遺品を片づける時には、多くの子供さんは悲しくなります。
年齢を重ねるごとに体力は衰えてくるため、実家の片づけは早いほうがいいでしょう。
モノを捨てられない人ほど、過去の思い出を大切にされています。
しかし、「すべてが思い出のモノ」と言われてしまったら、片づけようがありません。
そこで、「本当に大切な思い出は、モノを捨てても無くなることはないよ」と伝えてあげましょう。
モノを捨てられない人は、「今までの思い出がなくなってしまうのではないか?」と、
不安になってしまいます。
「本当に楽しかった思い出は、モノを捨てても消えないから大丈夫」と声をかけるだけで、親の考え方も変わると思います。
さらに、片づけ後の良い未来のイメージを持ってもらいましょう。
趣味があれば、片づけたスペースを自由に使うことができます。
孫が遊びに来たときには、広い空間で遊ぶこともできます。
このように、片づけた後の良い未来がイメージできると、モチベーションも上がります。
片づけは大変な作業です。お互い気持ちに余裕がある時に進めていきましょう。
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