実家の整理は、突然やってくるケースがほとんどです。
事故や病気により片づけができなくなり、ご依頼されるお客様も多いです。
退院してくる親のために、「できるだけ生活しやすいようにしたい」というご相談があります。
親の退院までに、優先的に捨てやすいのは「大きなモノ」です。
大きなモノは、小物や書類に比べて判断しやすいため、親がいなくても片づけられます。
入院しているときに「部屋にあった大きな棚は捨ててもいいかな?」と相談しながら処分していきましょう。
訪問介護を利用される場合は、モノが少ないほどホームヘルパーさんも介護がしやすくなります。
今では、スマートフォンで簡単に写真を撮れるため、親に写真を見せながら、「残すモノ」「捨てるモノ」を決めると良いでしょう。
親のモノを勝手に捨ててしまうと「何で勝手に捨てたんだ」と、
感謝されるどころかケンカになってしまうことがあるためご注意ください。
片づけは、「玄関から寝室までの通路」→「トイレ・浴室」→「キッチン」の順番で進めていきましょう。 日常生活に欠かせないところから始めないと、片づけが間に合わなくなることがあります。 まずは、「玄関から寝室までの通路」です。 玄関に多くのモノが置いてある場合は片づけましょう。 退院直後は、身体が弱っているケースが多いです。玄関の段差が高いようでしたら、踏み台を用意して負担を軽くしてあげると良いでしょう。 寝室までの通路には、モノを置かないようにして「転倒による事故」を防止しましょう。 続いて、「トイレ・浴室」です。 トイレと浴室は、生活をしていく上では欠かせない場所です。 特に、浴室では転倒による事故が多いです。滑る可能性があるようでしたら、親と相談して手すりや、すべり止めを利用しましょう。 最後にキッチンです。 キッチンは、高いところにモノが収納してあります。 親がキッチンを使用するようでしたら、椅子に上らないように低いところに移動しておきましょう。 「玄関から寝室までの通路」「トイレ・浴室」「キッチン」を整理すれば、とりあえずは生活を送れます。 親が退院して落ち着いら、リビングや押入れなどを少しずつ整理していきましょう。
親の介護による疲れが原因で「掃除ができない」と悩みを抱えている人もいます。
最悪なケースでは、介護疲れにより、子供が親を殺してしまう事件もあります。
それだけ介護とは、精神的・肉体的にも大変なことだと理解できます。
親の介護というのは仕事とは違い、自分のプライベート時間がなくなることが多いです。
・いつまで、このような生活が続くんだろう
・親の介護で休まる時間がない
・料理や掃除まで疲れてやる気がしない
気持ちが落ち込んでくると、部屋の掃除もできなくなります。
しかし、掃除は一週間もしないと、キッチン周りの生ごみから悪臭がしたり、
トイレや浴室の水回りは黒カビで汚れて居心地が悪くなります。
「疲れて掃除ができない」という人は、部屋にモノが多すぎることが原因の一つです。
また、「探しモノが見つからない」「モノが視界に一度に入ってくる」というのも、大きくストレスに関係してきます。
そこで、まずは家の不要なモノを片づけることから始めましょう。
不要なモノが家からなくなると、気持ちがスッキリする効果があります。
日常生活で使われている食器棚の「茶碗・コップ・皿・はし」など、今の生活で必要なモノ以外を
処分すると、気持ちの変化に気づくと思います。
モノを片づけることによって、今までの疲れやモヤモヤした感情も軽減されます。
さらに、モノを減らすだけ掃除が簡単になります。
「疲れて掃除ができない」から、
「疲れるほどの掃除をする必要がなくなった」と嬉しい変化が起きます。
通路にモノが置いてあるのはストレスになります。
生活の中で、「狭い」という感覚はあまりよくありません。
満員電車に乗っている状態をイメージすると「狭い」がストレスになるのが分かると思います。
一つでも当てはまる場合は、
無意識にストレスになっている可能性があります。
日当たり・風通しも、ストレスを軽減するためには大切です。
もし、日当たりの良い窓や、ベランダにモノが置いてある場合は、部屋を暗くしています。
暗い部屋にいると気持ちも沈むため、日当たりは大切にしましょう。
窓やベランダのモノを移動することによって、空気の入れ替えもスムーズになります。
介護される人にとっても、日当たりや風通しが良くなり、気持ちが明るくなります。
親の介護は家族だけではなく、ホームヘルパーさんが使用する場合もあります。
そのため、誰でも介護用品の場所が分かるように保管する必要があります。
必要なモノを、すぐに取り出せる位置に収納することによって、
介護する人の負担も軽減されます。
さらに、使用頻度に合わせて、適切な場所にモノを配置するだけで、ムダな動作がなくなります。
「疲れて掃除ができない」から、「疲れるほどの掃除をしない部屋作り」に変えていきましょう。