空間を整える大切さ

片づけの目的は「空間を守るため」

今では「部屋を片づけられない」と悩みを抱えている人が多くいます。片づけの悩みは本人だけの問題ではなく、家族全体に影響を与えています。

そもそも、片づけは何のためにするのでしょうか。
部屋をきれいにするためだけにするのでしょうか。

私は、片づけの一番の目的は「空間を守るため」だと考えています。

人の感情・言葉・行動などは、自覚されている人は少ないかもしれませんが、空間による影響がとても大きいです。

例えば、職場の環境がイメージしやすいでしょう。

・人間関係が良いところは、明るく温もりのある空間になっています。
・人との繋がりを求めていない人たちが集まるところは、冷たく重たい空間になっています。

家庭の環境でも同じことが言えます。

・お互いのことを尊重している家庭には温もりがあります。
・不満や愚痴ばかりの家庭は、空間も冷たいです。

これまで、「人が病むから空間も病むのか?」それとも「空間が病むから人も病むのか?」を、考えながら仕事をしてきました。

多くの片づけを経験した中で、私の答えは、「人が病む→空間が病む→悪い空間によって継続的に人を病ませる」という流れです。

はじめは、人が病むことによって空間も病んでいきます。生活をしていれば誰でも気持ちが落ち込み、不安になることはあるため、一時的なら問題ありません。

実際に、
・離婚、失恋のショックから部屋を片づけられなくなった
・仕事のストレスからうつになり、部屋を掃除できなくなった
・家族が亡くなった悲しみから、無気力になった

このような心理的な原因により、片づけのご依頼をされる人もいます。

しかし、多くの人は、辛い状態から立ち直り、新しい生活を送ることができています。

一時的な悲しみや不安から立ち直れる人に共通しているのが、「素直に人に頼れる」という点です。

家族・友達・職場の人・自治体の支援サポートに相談して解決したり、音楽・映画・ドラマ・書籍からも人が立ち直るためのメッセージが込められていますので、 何かしらの情報を上手に活用できたのだと思います。

素直に人に頼ることの大切さ

問題なのが、一時的なショックで落ち込むだけだったことが、空間の影響によって何年、何十年とひきずりながら暮らしている人です。

一つの例が「ひきこもり」でしょう。

現在、日本だけでも100万人以上が「ひきこもり」と言われており、社会問題となっています。

100万人以上のひきこもりの周りには、家族・福祉支援・病院・自治体など多くの支えがあります。

ひきこもりの原因は、「社会と共存していけない不安」「幼少期の親からの厳しいしつけ」など、一人一人の心理的な原因が必ずあります。

ひきこもりから抜け出せるきっかけになる一つが「素直に人に頼ることができるか」です。

先ほど、辛い状態から立ち直れる人の共通点が「素直な人」だとお伝えしました。反対に、立ち直れない人に多いのが「素直に頼れない人」です。

素直に頼れない人は、幼少期の環境が影響していることがあります。

・スポーツや学歴などの才能に恵まれ、周りの人から褒められ続けてきた

・勝負で一番になることが素晴らしいと親や学校から教えられてきた

・「何でも一人でできるようになりなさい」と教育されてきた

・親からの虐待、いじめが原因で、悲しみや不安を一人で溜め込むしかない環境で暮らしてきた

周りの人の評価で育てられた子供ほど、努力家であると同時に、「人に頼ることの大切さ」を教えられずに生活してきた人が多いです。

そのため、「助けてほしい」「分からないから教えてほしい」と周りの人に相談するのはダメなことだと思い込んでしまい、すべての悩みを一人で抱え込みやすくなります。

悩みが長期化すると空間も病んでいき、ゴミ部屋状態となっていくでしょう。

ひきこもりは、社会が作り出した問題でもあるため、本人を責めるつもりはありませんが、空間による影響が大きいことは知っておいてください。

悪い空間から抜け出す覚悟

自分が良い方向に向かう流れがきても、空間(家)が悪いと前に進みづらくなります。

例えば、自然が多い場所にでかけたら元気が出る。 だけど、家に帰ったら気分が落ち込む状態に逆戻り。

このような状態は、明らかに空間が影響しています。

「世間からは良い夫婦に見られていたい」「人間関係が辛い環境で働いている」 などの理由から、不満や怒りを溜め込んで、家庭内でストレスを発散してしまっている人も多いです。

最も大切にしなければいけない家庭の空間を、自ら壊してしまっているのです。

・家族で明るい生活を送れている
・自然に触れたら気持ちが楽になった
・友達と楽しい会話をして元気が出た

意識はしていなくも、空間による「温もり」「安心感」を誰もが経験しているはずです。

片づけの最終目的は、家を「温もりある空間に整えること」です。

しかし、空間の大切さをどれだけ伝えても、片づけられない人が多くいます。

家というのは、住んでいる人が大切にしている「過去」「今」「未来」の物で生活をしています。

片づけられない人の9割は、物を捨てられない人です。物を捨てるのは過去を捨てることにも繋がってくるため、 過去の私がなくなることへの恐怖と、未来に進むための不安な心理が、家の状態にもあらわれていることが多いです。

今のままでは不幸な人生になるのは分かっていても、悪い空間から抜け出せない人は、環境が変わることの不安と恐怖のほうが、 上回っているからだと思います。

片づけをご依頼されるお客様の中には、「一から生活をやり直したいので、すべて捨ててください」と、過去の物を捨てられる人もいます。

このような人は、「過去の私」よりも「未来の私」に向かう覚悟ができているのです。

ここまでお伝えすれば、家の空間は、住んでいる人の「生き方」そのものだと理解できると思います。

「過去の私」のままで良ければ、思い出いっぱいの家で暮らせば良いです。しかし、「今の私、未来の私」が大切だと思えば、「過去の私」が邪魔になってくることがあります。

一人暮らしをされている人は、「過去」「今」「未来」のどこを生きていくのかは、 自由に決めてもらって良いと思います。

しかし、小さいお子さんがいる家庭は、「今・未来」に向かっての空間づくりを大切にしてほしいです。

なぜなら、子供は間違いなく「過去の私」よりも「今の私、未来の私」を大切にしているからです。

空間によって、子供の成長スピードも大きく変わってきます。

「家を温もりある空間に整える」そして、 「温もりある空間を守り続けるため」の片づけをしてみてください。

きっと、家族の「感情・言葉・行動」のすべてが変わってきます。

人間の本音は最期に分かる

最期を看取る仕事をしている、ある看護師さんのお話があります。

看護師さんは、死期が近い患者さんに以下のような質問をするそうです。

「今日まで生きてきて、心残りはありませんか?」

この質問に対して一番に多い患者さんの答えが、「もっと、挑戦していれば良かった・・」だそうです。

本音は、自分自身でさえも気づけていない人が多いと思います。

その中で、死期が近づいている人の言葉には、本音が込められていると思っています。

少なくとも、今の生活を精一杯送っている人は、「もっと、挑戦していれば良かった・・」という 後悔の言葉は出ません。

このようなお話を聞かせてもらい、私の中では「過去」よりも「今、未来」の生き方を 大切にしたほうが良いと感じています。

空間が病んでしまっている家庭の人は、過去に対する「不満・憎しみ・孤独・悲しみ・後悔」 の言葉ばかりです。

・~のせいで私はこんなに苦しんでいるんだ(不満・憎しみ)
・私のことを誰も分かってくれる人はいない(孤独・悲しみ)
・あの時もっと~してればよかった(後悔)

そういった気持ちは、物に対しても同じなため、「過去の物を捨てられない」=「過去のマイナスな出来事も捨てられない」 =「今、未来に進めない」状態になっています。

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